ハウスメーカー・シニカル論
「理想都市は歴史のコラージュが作る」
―コラージュ・シティ
建築学生の中には「ハウスメーカーなんて、建築界の風上にもおけねぇ」なんて人が少なからずいるだろう。
そこで、ハウスメーカーとはもしかすると、非常に興味深い会社なのかもしれないと考えてみるのはどうだろうか。
まず、ハウスメーカーの人々は「僕らはこんな図面引いてみました。この建物に見合う土地を探してみて。」と言うだろう。ここで、立ち止まって思考していただきたいのは、何故図面を引くことができてしまうのか?である。
つまり、空っぽの頭で図面など引くことなど不可能なはずである。よって、彼らの頭の中には膨大なデータが含まれており、それを駆使して、業務を遂行しているのである。
ここに一つ、ハウスメーカーの凄味があるのだと思う。
次に、注目していただきたいのは、どのようなハウスメーカーでも、類似商品の生産力がある。
要は、らしさを生み出す能力である。
結論として、僕のように、浅学非才の若造には微塵も感じられないが、深い見識をお持ちの方々には、パロディコメディ映画のような風貌を感じられるに違いないはずだ。
彼らは、なんと博識であるのか!
実際にハウスメーカーがこのような所作を、ぼくが言うように行っているとは限らないだろう。だが、彼らが僕らに見せる建築の世界は辛らつであり、ここまで皮肉を上手くいってのける奴には、終ぞお目にかかったことがないのだ。
彼らこそが、現代によみがえるチャップリンであるのだ。
ハウスメーカーかく語りき。耳を澄ませ、現代人よ。