建築に必要な物として:〈物語〉

「安らぎと屈辱と恐怖を感じながら彼は、おのれもまた幻にすぎないと、他者がおのれを夢みているのだと悟った。」
−円環の廃墟(J.L.ボルヘス

人は何故、オカルト・迷信・占いなんてものを信じやすいのだろうか?
それについての物語を載せておきたいが、そのためには話を先史時代までさかのぼらなければならない。


僕らのご先祖様は、毛むくじゃらの類人猿でした。


彼らは親指の発達から、木を下り、様々な外敵と闘いながら、今のように食物連鎖の頂点に君臨することができました。
そして、その戦いでどのような事が重要であったのか。
ここが、今回の話では重要になってくるのです。



類人猿A(オス)の話をしましょう。

モノリスの出現により類人猿Aは、例えば骨のような硬いものを武器として、食事を手にすることができた。彼は、巣穴に戻るために少し危険な近道をしました。すると、森の暗がりから、何かがこちらを見つめているような感覚に襲われた彼は、二つの選択肢を思いつきます。

  1. 気のせいだと思い、このまま近道を進む。
  2. やばい!と思い走って逃げて安全だが遠回りして帰る。

この時、1の選択肢を取り、万が一恐ろしい外敵に襲われたAは死んでしまう。2の迷信深い選択肢を取ったAは、生き延びました。
そう、この遺伝子が我々の血液の中に流れ、臆病者のDNAが僕らに受け継がれているわけです。
さて、人生とは如何にして選択を行い生きるべきなのでしょうか。